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下諏訪温泉 片倉館 : heavenly-spring.com

下諏訪温泉 片倉館

下諏訪温泉 片倉館
片倉館は、諏訪湖の近くにある昭和3年に建てられたクラシックな洋館建の温泉施設です。
上・下諏訪温泉の源泉は町内に20ヶ所もあり、温泉銭湯も10件以上、湧出量は毎分5100ットル、日本でも指折りの湧出量のある温泉地で、個人宅に温泉をひくのも珍しくないそうです。
そんなうらやましい土地に建つ片倉館の珍しいヨーロッパのバスハウス風建築は、製糸産業メーカー、片倉財閥が地元の地域の福利慰安施設として建てたものです。
中には、温泉だけでなく休憩所や会議室があり、有料の貸切部屋もあります。

★★★★☆
★★★☆
★★★★☆
★★★
★★
諏訪市湖岸通り4-1-9
0266-52-0604
URL :  http://www.katakurakan.or.jp/
入浴料金 :  500円
アクセス: 上諏訪駅から徒歩10分、諏訪美術館横です
1. 2.
1: 正面の門までクラシック。花が咲く噴水の庭が素適です。
2: 湖側からみた温泉棟、この正面が浴室になっています。
諏訪湖畔の3千坪(約10,500㎡)の敷地に建つこの施設は、片倉財閥の二代目片倉兼太郎が、大正11年から12年にかけてヨーロッパ、北米、中南米への視察旅行を行なった時、欧米諸国での地域住民に対する文化福祉等の施設にいたく感銘を受け、諏訪にもこのような施設を作りたいと、温泉大浴場やサウナ等を備えた浴場棟と文化交流や娯楽を目的とした会館棟を作ったそうです。
男女別の内湯、大理石造りの千人風呂は必見の価値がある浴槽です。1000人は無理でも、20人ほど入れる広さで浴槽の深さは110cmの立ち湯、底には大きな玉砂利が敷き詰められています。幾何学模様のステンドグラスなど見所いっぱいです。

3. 4.
3: これが名物千人風呂です、深い浴槽を回遊魚のように歩行湯にしているおばさんが沢山。
4: 飾り壁の後ろに洗い場、シャワーやシャンプー類もあります。

5: 屋上に上って煙突を見上げた所。休憩所の横から屋上に出れば、
   道路を挟んで向こうに諏訪湖が一面に広がります。
6: 2階にある休憩室へ向かう階段、赤い絨毯と木製のなめらかにカーブする手摺にうっとりです。
7: 休憩室には、ラーメンやカツ丼、うどんなどの定番のメニューが。お土産も売っています。
5. 6. 7.
温泉は、無色透明の単純泉ですが、ラドンが含まれているそうで、ラドンをちゃんと吸引できるように囲まれた浴槽もありました(説明によると、ラドンはお湯に浸かることから30%、70%は吸引から吸収されるそうです)。この部屋は半スチームサウナ状態で、中の湯も熱め、長居はできませんでした。
湯は無色透明のなめらかな湯で、やや熱めの湯がどんどん流しこまれています。千人風呂は、源泉を入れながらの循環式ですが、ラドン吸引部屋の小さなジャグジー浴槽は掛け流し状態で、大量の湯があふれ出していました。


9.

8.10.

5: 諏訪湖の風景、スワンボートなどありファミリーが湖畔公園で散歩、そんなのどかな雰囲気です。
9: ラドン部屋。3人入ればいっぱいの小さなジャグジー浴槽があります。
10: 会議棟の入口には大きな青いライオンのような狛犬(狛獅子?)が。ちゃんと阿吽になっていました。
片倉館の設計は、東京帝國大学(現東京大学)造家学科大学院で学んだ森山松之助氏によるものだそう。この時期には珍しい鉄筋コンクリート建てで、ドイツ式、和風など型にはあてはめ難い独特な建物で、各国の様式が巧みに採り入れられ、それでいてアンバランスを生じない非凡な設計だそう。また外観からは内部の和室が、反対に内部で障子を閉めると外観が洋風であることが全く判らない、珍しい造りだそうです。

以上、建物だけでも見て楽しい施設ですが、やはり広々と深く玉砂利がひいてある千人風呂は忘れがたい温泉でした。深さゆえの水圧や足裏からの刺激が、通常のお風呂に比べ温泉効果を促進しているように思う、とても温まるお風呂でした。特にレトロ建築好き、立ち湯好きには是非お勧めしたいと思いました。  <2002.3、2006.8>