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箱根塔ノ沢温泉 環翠楼 : heavenly-spring.com

箱根塔ノ沢温泉 環翠楼

箱根塔ノ沢温泉 環翠楼
環翠楼は国の有形登録文化財に指定されている、芦の湯温泉にある川沿いの伊藤博文が愛した歴史ある宿です。
前身は「元湯」といい、元湯の歴史は古く慶長19年(1614)の開湯にはじまり箱根七湯の一つとして知られています。
ここは、伊藤博文や西園寺公望など政界の大物や、島崎藤村などの文人が多く訪れていて、明治23年伊藤博文が宿泊した時に、当時の建物を環翠楼(緑の木々に囲まれた高殿の意)と詠んだ漢詩を贈ったということから、宿の名前が「環翠楼」となったそうです。
川沿いに建つ、現在の建物は大正8年~13年の建築で、全国各地より集められた銘木で造られた素晴らしい木造4階建てです。

★★★★
★★☆
★★★★
★★★
★★☆
足柄下郡箱根町塔之沢88
0460-5-5511
URL :  http://www.kansuiro.co.jp/
アクセス 
箱根湯本駅からバスか箱根登山鉄道で芦の湯温泉まで行くのが楽ですが、ふらふらとお店を見ながら歩いても徒歩15分ほどで着きます。
1. 2.
1: 大広間「神代閣」、花と鳥の襖絵が本当に見事!
   また、この天井は、樹齢数百年以上の杉が地中や水中に
   1000年以上うもれていた杉材を使っているそうです。
2: 内湯前の流し場、昔湯治場だったころの名残でしょうか、今はあまり使われることはないですが
   (各部屋に流しがあるので)、床のモザイクタイルとか鏡とか素敵です。

玄関を入ると昔ながらの番頭さんが迎えてくれます。
とにかくあちこちレトロで素敵、昔懐かしい「ルービンリキ」と書いてある協賛鏡だとか、館内案内も「場浴」だとか、たまらないポイントが色々あります。
ウェブや館内には、旅館内観光ポイントがイラストで表示された館内案内があるので、これを手に館内をうろうろするのが面白かったです。

館内にお風呂は男女別の内湯、男女別露天風呂と家族風呂が2つあります(05年12月時点では1つは故障で閉めてありました)。
温泉は単純泉で肌に優しく効能は神経痛やリュウマチなどに効くそうです。
3本の源泉から引いた掛け流しで、特別に個性の強いお湯ではないですが、常に流れ込むたっぷりきれいなお湯と、不思議レトロな浴室の雰囲気で癒されます。

3. 4. 5.
3: ロビー、館内のガラスも工業物でないので微妙に風景がゆるんで見えるのが味があります。
4: お部屋の様子、リニューアルなどしているのか、古さを感じさせないながらレトロ感のあるお部屋でした。
5: 玄関にある人が2,3人入れる位大きな金庫は、ダイヤルがなんと数字でなくカタカナ。歴史を感じます。

6. 7.
6: 女性用内湯は不思議なつくりの浴室、タイル張りの丸型と扇型の浴槽が2つあります。
7: 露天風呂は新しく後から増築したもので、別棟にあります。川を眺める山の中腹にあって、
   ぼーっと空と対面の山を見ながらゆったりできます。お湯は無色透明の滑らか湯ですが、
   緑色のチョークっぽい沈殿物がありました。女湯より男湯のほうが開放感があってよかったです。
05年2月に新しく岩盤浴も出来ました。申込みをすると、岩盤浴着をわたされて自由に何度も使えます。(1050円)
レトロな雰囲気かと思いきや、ここは全く普通の岩盤で、全く他のエリアのレトロな世界とのギャップがあってちょっと残念でした。汗はしっかり出ましたが、もうちょっと内装が雰囲気よかったらいいのに・・・と個人的には思いました。


右写真は館内のステンドグラス、他にも素敵スポットは沢山、レトロ建築好きにはたまらないです。
ちなみに、食事はごく普通でした。悪くもなく良くもなく、定番な旅館メニューです。(朝ごはんにハムサラダが出たのは、ちょっといただけなかったですが。)

以上、この宿を温泉だけで見ると、お湯は他の箱根湯本の施設と特に変わらないですが、ただ掛け流しで入る人数も少ないので新鮮なお湯に浸かれるのは嬉しかったです。
今後もしっかり残してほしい歴史の宿、これは本当に日本の宝だと思います。是非案内マップを手に、館内探索を楽しんでほしい、そんな宿です。ただ、サービスや料理はありきたりだったので、運営をもっと変えたり、最近よくある和風旅館を中に有名シェフを連れてきてオーベルジュ風にリノベーションするとか、そういうことをすればもっと高級旅館になる可能性があるだろうにな、と個人的には思っていました(非常におせっかいですが)。とにかく建物・レトロ・歴史好きはお勧めしたい素敵な日本の宿でした。  <2005.12>