|
鹿児島、桜島の南部海沿いにある古里温泉は、江戸時代の宝歴5年（1755年）に溶岩の間から湧き出ている所を発見されたという歴史ある温泉です。 活火山があり、噴火を繰り返して島がどんどん大きくなっているという桜島、温泉に行く途中通る溶岩地形の眺めは独特で、できれば展望台で一休みする事をお勧めします。 そんな不毛な一帯を通り越え、島の南端近くまで行くと海沿いに大きなホテルが見えてきます。 ここのホテルの名物は、龍神が住むという露天風呂です。 鹿児島湾に向かって開けている開放的なお風呂には、弁天様などを祭った祠もあり、神社にいるような独特な雰囲気を醸し出していました。 |
|
| |||||||||
 |
 |
| 1. | 2. |
|
1： フェリーから見た桜島、日常的な交通路なので、フェリーは頻繁に出ています。 2： ホテルロビーにあった飲泉所と露天風呂への入口。 お湯は微かにしょっぱい飲みやすいなめらか味でした。 |
|
露天風呂のイメージから想像していたより、予想外に大きく新しいホテルに入ると、広いロビーの一角に、入浴券販売機と浴衣貸し出し所がありました。 名物の龍神露天風呂は、丘に建つホテルの本館から外にでて、海沿いまで斜めに降りる珍しいエレベーターに乗って降りていきます。特にすごい高低差があるわけではないので、こんなオリジナルのエレベーターを作るなら、もっと別のお風呂を作ることに投資すればいいのに、なんて勝手な事を思いました。が、年配の方などには嬉しい配慮かもしれません。 海近くに、男女別の更衣室があって、そこで浴衣に着替えます。名物、露天風呂エリアは、背中に「南無観世音大菩薩」と書いてある修行僧のような独特の浴衣を着ての混浴になっていました。 |
 |
 |
| 3. | 4. |
|
3： これが名物、龍神露天風呂です。海抜0m、とにかく眺めが素晴らしいです。 4： 浴衣でポーズ。かなり厚めの生地で、透けないので女性でも安心です。 |
|
露天風呂は、海に囲まれたような開放的な造りになっていました。お風呂の奥には龍神が棲むという、樹齢200年という巨木が立ち、また弁天様を祭った祠や、仏像などが並んでいます。神様の前、神聖な場所なので、裸でいるのは失礼、ということで浴衣が用意されているとの事です。確かにお湯さえはってなければ、ちょっとした神社の一角のような雰囲気でした。 また、この祠の手前側には、寝湯や打たせ湯の浴槽もありました（湯ははってありませんでしたが）。こちらはコンクリ造りの近代的な雰囲気で、そのギャップが不思議な感じがしました。 泉質は、ナトリウム塩化物泉（食塩泉）で、ぽかぽか温まる湯は、透明やや黄色く見えました。広い露天風呂の所々から湯の吹き出し口があって、場所によって39～42℃ほど、ほどよい温度です（冬季は加温しているとのことです）。広い露天なので、自分の好みの温度の場所でくつろげるのがよいと思いました。 |
 |
 |
| 5. | 6. |
|
5： 屋内温泉プール、ここは水着で入る遊泳エリアですが、それでも温泉の香がぷんぷんしました。 6： 男女別の内湯もあります。唯一ここだけが、裸で入浴できるお風呂です。 |
|
露天風呂は浴槽だけ、しかも湯浴み着必須なので、裸でゆっくり温泉に浸かりたい、体を洗いたい、と思ったら内風呂へどうぞ。 ホテルの館内には、大きな温泉プールと男女別に内湯があります。温泉プールは、水着を着て入る、普通の屋内プールのような造りで遊泳用なのですが、加水なしの温泉100％が常に注がれているので、必要以上に温かくて温泉の香ぷんぷんの贅沢なプールでした。また、その両側に男女別の内湯があって、中に飲泉用の源泉口と5,6人は入れる岩風呂があります。お湯はどこも一緒なので、状況に合わせて好きな場所で温泉に入れるのがよいと思いました。 以上、独特の雰囲気の露天風呂を楽しめる古里温泉。浴衣必須の賛否はあるでしょうが、浴衣の生地が厚めかつ大きめで（露出が少ない）、混浴を気軽に楽しめるので、女性やグループには嬉しいと所だと思います。呪文？付の浴衣のおかげか、開放的な環境のせいか、見知らぬ人と一緒に入っても、全く気まずさを感じないほど、混浴らしくない爽やかな雰囲気でした。鹿児島の海を見渡す眺望のよさは桜島で一番だし、混浴やプールが苦手という女性にもお勧めできる、気持ちのよい温泉だと思いました。 <2006.12> |
