大湯温泉は、秋田の南東部、宮城に近い湯沢市小安温泉郷にある温泉です。大湯温泉というと、新潟魚沼市と秋田の角館市にもありますが、ここは栗駒山麓にある山の中の温泉地です。 国道398号沿いに広がる小安温泉郷には、ぽつぽつと旅館が散立し、あちこちから湯気が立ち上り、道端には温泉が流れています。それ以外はお店も何もない淋しい温泉郷ですが、最近足湯が沢山できました。ドライブ途中の休憩に嬉しいです。 大湯温泉には、2軒の宿があり、そのひとつが日本秘湯の会に所属し、横の川がそのまま温泉になっていることで知られる阿部旅館です。 旅館横からも、蒸気がもうもうと上がっていて温泉臭が漂っています。秘湯の会の宿にしては新しい造り、最近改装増築したようです。 |
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1: 宿泊等の奥から、お風呂だけがある川に近い温泉棟に階段を下りていきます。 温泉棟は丸くうねった小川のちょうどくぼみの中に建っていて川に囲まれているよう。 2: 男女別の内湯。湯治場の雰囲気が漂う木造の小屋の中にひとつ浴槽がありました。 3: 露天風呂から横の小川に降りることができます。ここが普通に温かくてびっくり。 4: 温泉棟の入口には大きく「無断入浴を禁ず」とありました。 確かに受付を通らずに外部からそのまま入れる造りだけに 勝手に入る人がいるのでしょう。残念なことです。 |
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浴室は、懐かしい雰囲気の男女別内湯、今昔風呂が各1つ、その外に川沿いの露天風呂が2つづつあります。その横の川が6月~9月位まではちょうどよい温度の天然川風呂(混浴)になります。川の水は透明に澄んでいて、温かい清流に浸かれるというのは本当に素敵でした。 また、ちょっと気になったのが、なぜか女湯の方が旅館から見える側にあったこと。旅館の部屋や通路から結構のぞけてしまうので、もうちょっと考えてほしいと思いました。 温泉の泉質は、無色透明の単純硫黄泉で、湧出温度98℃と高いので加水と一部循環しているとのことでした。なるほど、源泉温度が高いから、川の湯がちょうど気持ちよい温度になるのですね。 |
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5: 新しい露天風呂、せせらぎの風呂。 6: フロントロビーには民芸品などが置いてあって、建物は新しいですが趣ある造りです。 7: 小安温泉郷の道端にある新しい足湯、デンバの湯。もちろん無料です(募金箱あり)。 |
硫黄の香りと常に熱い湯が掛け流されている湯治場風の内湯は、熱くて長く入れなかったですが、湯の花が多少みられる酸性のさわやか軽いレモン味のいい湯が楽しめました。また、横の露天風呂、天然川の湯は緑に囲まれ雰囲気もなかなかなのですが、夏に行ったときはアブがひどくてちょっと困りました。蜂かと思うような3cm位ある立派なアブがぶんぶんしていて水をかけて撃退しながら入る状態でした。とは言え、アブのいる夏じゃないと川の湯に入れないし、悩める所です。 また、川沿いにある源泉では常にもうもうと湯気が立ちお湯が流れ出しているのに、露天浴槽は加水はいいとして循環しているというのはちょっと残念でした。 以上、開放的な露天、そして自然の川の湯を楽しめる、それでいて宿は結構きれい、アクセスも国道沿いで悪くない、気軽に楽しめる秘湯の宿でした。周辺に見るべき所はあまりありませんが、まったり自然と対話しにいくにはいい宿だと思いました。 <2006.8> |