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Grutas Tolantongo, Hidalgo, Mexico : hotspring.st

Grutas Tolantongo, Hidalgo, Mexico

Grutas Tolantongo, Hidalgo, Mexico
メキシコの首都、メキシコシティから北へ3時間、隣州イダルゴに洞窟の温泉があると聞いて行ってきました。
その名も、「グルータス(洞窟)トラントンゴ」、州都パチュカとその隣の州都ケレタロの丁度真ん中らへんにある、イクスミキルパンという温泉町から北の山の中に入った所にあります。
この一帯は石灰岩の多い地域なため、あちこちに白い岩肌が見える丘が連なっており、洞窟もいくつかあります。中でも、トラントンゴのこの洞窟は、中から温泉が噴出していて、川全体が白濁の露天風呂という、メキシコ大自然のワイルドさを十二分に体感することの出来る、エコスポットでした。

★★★★☆
★★★★
★★★★
★★★
★★★★☆

Dom.conocido, Ejido San Cristobal en Municipio de Cardonal, Hidalgo
01 (200) 125-2234.35
URL :  http://grutastolantongo.com.mx/
入浴料金 :  100pesos
行き方: DFからならパチュカ方向の高速85号でパチュカ→アクトパン→イクスミキルパン→カルデナルと進むと看板が出てくるのでそれに従っていくと崖下にあります。シティから車で3~4時間です。
1. 2.
1: 最後の町を越えた所から、舗装なしの山道に。横にはこんな岩山の風景が広がっています。
2: きれいな青白濁の温泉湯川、周りにはサボテンの不思議な光景です。
トラントンゴは、険しい岩山に囲まれた谷間にある秘湯的温泉地ですが、予想外に案内の看板がしっかりしていて(これはメキシコでは非常に珍しいことです)、迷わずに着くことができました。
一番近い町、カルドナルを越えて少し行くと、でこぼこながらも一応舗装してあった道から、砂埃のまきあがる土道に変わって、ひたすら岩山をくねくねと谷間まで下っていきます。
ゲートで入場料を払って駐車場へ。すでにこの時点で、車は真っ白になるほど土ぼこりにやられていました。

谷底を見ると、きれいな青白濁の川とそこで泳ぐ人たちが。きれいな湯色に逸る心をおさえつつ、ピクニック仕様の荷物を持って川まで下っていきました。駐車場から川辺までは、結構な坂で距離もあるせいか、リヤカーで荷物を運んで小銭稼ぎをしている若者たちが。これは便利と帰りにお願いしたのですが、最初30ペソと言っていたのに、奥の駐車場で距離があったからと50ペソとられました。いい商売です。

3. 4. 5.
3: 白濁湯川はぬるいので、日本人の温泉感覚とはちょっとずれているかも。
4: 上流からずーっときれいな色の川が続いています。
5: 洞窟内に湧き出す湯の温度を測っているところ。ここは約37℃でした。
川辺はちょっとしたキャンプ場のようになっていて、皆テントを張ってバーベキューしたり、中で昼寝したり、思い思いにすごしていました。
シャワー付更衣室、トイレ、簡易レストランはありますが、休憩室やベンチなどはないので、テントを借りるか、テーブルセット(プラスチックの簡易な机と椅子)を借りるか、もしくは自分で持参したビニールシートを敷いて、自分たちの場所を確保します。夏場は特に日差しが強いので、テントかパラソルは必需品。日向にいると1日で全身真っ赤になるので要注意です。

6. 7.
6: 洞窟の入口は滝の流れ落ちる崖の下にあります。
   乾季でこれだけの水量なので、雨季はもっとすごいことになっているのでは。
7: 川を挟んで対岸にある施設、「La Gloria」のプール。
温泉に浸かれる場所は、川全体と、洞窟のホール、洞穴プールと大きく三ヶ所あります。洞窟の中から38℃ほどの温泉が流れ出していて、滝の水(冷水)と混ざって川に流れていくので、温度は洞窟内が37℃ほどと一番温かく、川は30~35℃とぬるいプール状態。日本の温泉のイメージとはちょっと違うかもしれませんが、日光が強いメキシコで、この温度は意外に丁度よく、十分温まります。

8. 9.
8: 洞窟ホールの様子、天井や壁面の穴から湯が滝のように流れ込んできています。
9: 内側から外を見たところ。入口には滝のカーテンがかかっているよう。

10: 川沿いには色とりどりのテントが並びます。
11: ひたすら流れに打たれている人、打たせ湯好きは全世界共通でしょう。
12: 白い石灰成分たっぷりの温泉泥で顔パックしている人も見られました。 
10. 11. 12.

川は全体的に浅く、砂利を敷いてあったり、子供が流れたりしないよう所々に堤防が作られていたり、日本ほどではないにしても、安全対策がなされていました。幅10mほどで流れもさほど強くないので、プール感覚で家族で楽しむことができます。また流れが急な危ない所には、ちゃんとセキュリティのおじさんが配置されていました。

洞窟は、冷たい滝をくぐって中に入ると、すぐ直径20mほどの円形のホールがあります。深さ50cm~1mほど、中央奥とホールの壁面2ヶ所から湯がすごい勢いで流れ込んでいます。湧出量がどうこうというレベルでない流量で、滝のように落ちてくる湯を打たせ湯にしている人が多数、ホール自体もスチームサウナのようで、のんびりと温まる事が出来ました。

13. 14.
13: プールも2つありました。奥に見えるオレンジ色の建物がホテルです。
14: 上流で浸かる人たち。下流のプール状の川と違って、自然そのままです。
他には、洞窟ホールの上に別の細い洞穴があって、10mほど中まで入る事ができます。照明の全くない、大人が立ってぎりぎりほどの細い洞穴の中は昼でも真っ暗、暗所恐怖症の人は奥まで進むのは難しそうです。あちこちから温泉が湧き出ているのか、天井から温かい雨が降り注ぐようにたれてきて、足元も小川のように湯が流れています。奥には小さな湯溜まりがあり、そこは深さ1mほどありました。全く自然のままの洞穴に灯りもなしで入らせてくれるところは、大らかなメキシコ、日本だと安全上難しいのではと思いました。

びっくりするようなメキシコの大自然を感じることができる洞窟+川の温泉、温泉大国日本にもないような、自然のままの洞穴の湯船など、一見する価値ある温泉でした。鍾乳洞の温泉だけに、カルシウム成分たっぷり、肌が少しコーティングされるようなカサカサした肌触りの湯です(実際川辺の岩はしっかり白く成分の膜に包まれています)。温度は低めとはいえ、十分納得の浴感がありました。

ワイルドな露天だけでなく、きれいなホテルやプールもあるので、ゆっくり泊まりで行くのもお勧め。食堂もありますがいまいちだし、火を焚ける場所が沢山あるので、バーベキューセットなどアウトドアグッズを揃えて行くといいと思います。メキシコの温泉で、もう一回行きたい!と心から思ったのは久しぶり。アクセスもさほど悪くない割りに、秘湯感はたっぷりの広々温泉、メキシコのサボテン山を背景にした白濁湯は、他では味わえない素晴らしい温泉でした。 <2009.1>