タバコンホットスプリングは、コスタリカ中部にあり、中南米で一番人気の温泉といっても過言ではないほど有名な温泉リゾート&ホテルです。 コスタリカの首都サンホセからバスで4時間ほど北西のアレナル火山の麓にあり、活火山から流れ出る溶岩を眺めながら温泉に入れることで知られています。 アレナル火山周辺は、溶岩地帯や熱帯雨林、コスタリカ最大の人口湖、アレナル湖があり、溶岩観測や動植物観察、エコツーリツズムで栄える一大観光地区になっています。といっても、特に大きな観光施設が並ぶわけでもなく、どこか阿蘇山周辺を思い出させるような長閑な風景の中、ぽつぽつとホテルが建つ静かな避暑地といった雰囲気です。 |
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1: タバコンホットスプリングの中央プール、右側のウォーターバーの対面にはレストランがあります。 |
アレナル観光の拠点になるFortuna(フォルトゥーナ)の町から車で10分ちょっと、アレナル火山の北側にタバコンリゾートはあります。 ホテルゾーンと温泉ゾーンは800mほど離れて独立した施設となっています(距離は大したことないのですが、坂が急なので往復シャトルが便利です)。ホテル宿泊者はもちろん温泉入り放題、またホテルゾーンにも宿泊者専用プールとジャグジーがあります。 温泉ゾーンは日帰り利用客も多く、アレナル火山トレッキングをしてから温泉休憩というセットツアーが人気があり、また熱い温泉に入るには涼しい夕方がいいとういこと、溶岩が見えるのが暗くなってからだということ、入園料が夕方以降の安くなるということもあって、夕方になるとどっと日帰り客が増えます。 |
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2: 落着いたホテルのロビー、どこかアジアンリゾートとも共通する雰囲気があります。 3: すごい湯量の温泉滝、滝の裏に入ることもできます。 4: 段々になって流れる温泉は自然の打たせ湯になっています。 5: 自然の川の温泉と、人口のリゾートプールの両方を楽しめます。 |
まず、日帰りの人は入口で入園料を払い、リストバンドをつけてもらいます。中に男女別の脱衣所、ロッカーとタオルレンタルがあり、タオルは自由に借りられます。 ところで08年時点で入園料はなんと1日パス60ドル(夕方6時以降だと45ドル)とびっくりの金額、ディズニーランドでさえ1日パス5800円なのに!と驚きの設定ですが、いつ見ても十分お客は入っていました。ただ、食事(ブフェ)付1日パスだと70ドルで、ブフェ代が30ドルなことを考えると、純粋入園料分は40ドルとなるので、食事付で利用する人、もしくはツアーで利用する人が多いようです。 |
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さて、熱帯雨林の中の谷間にある敷地内には、建物は入口のメイン棟とスパ棟、離れのカフェの3つのみで、後は温泉プールが各種各様に点在しています。 メイン棟には、受付・売店・レストラン・脱衣所・お土産やが入っています。スパ棟はスパの受付とジャグジー、待合、休憩室が入っていて、スパのトリートメントは熱帯雨林の中に点在するコテージなどで行われます。敷地の外れにあるカフェバーは森の中の小さな小屋風で、貸切にして結婚パーティーなどをやったりもしていました。 温泉プールは、大きく分けて人口のリゾート風プールと、自然の川の温泉の2つに分けられます。リゾート風温泉は、メイン棟前の大きなウォーターバー付のプールとその横に2つ、またその奥に3つ温度違いの物があります。 自然の川の温泉は、本当に熱帯雨林の中を流れる川そのままで(もちろん安全のために多少の手は加わっていますが)、どこに入っても大体温度が40℃前後です。また、そんな川の所々に人口のプールも用意されていました。 |
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6: ホテルの部屋、ベッドの向かいに大きな液晶テレビ+DVDがついています。 7: 温泉ゾーンのレストランの日替わりブフェはデザートもちゃんとしていました。 8: 脱衣所のブース、シャワーとその手前にベンチ付の着替えスペースがあります。 9: ホテルゾーンのレストラン、すぐ横がプールで、水上に張り出したようなテラスがあります。 朝はブフェ、それ以外はアラカルトで、味はまあまあ、値段は結構しました。 10: 温泉プールの縁にいたグリーンイグアナ、体調80cmほど。 |
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タバコン温泉というと、溶岩を眺めながらの温泉、という説明がよくついてきますが、実際の所、08年現在では溶岩ルートが少しずれてしまったこともあり、よほど運が良くないと温泉に入りながら溶岩を見ることは出来ないようです。また、雨季(4月~10月位)はほぼ毎日山に雲がかかっているので、アレナル山自体、全体を見る事が出来ませんでした。 とはいえ、実際ここに来てみると、溶岩なんてどうでもいい!と思えるほどの十分素晴らしい温泉なのです。雰囲気もさることながら、自然の川がそのまま温泉という贅沢さ。川の温泉なら、日本にもいくつかありますが、どれも川の一部が温かい、というものばかりだし、ここの様に川の水全部が温泉なんてことは、世界中を探してもそうないことです。湧出量が測れないんじゃないかというほどの湯量の温泉がごうごうと川となって流れていて、しかもそれが40℃という適温だということ、これは本当に奇跡のような温泉なのです。 |
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11: 温泉滝に打たれる人たち。湯底は砂利が敷いてあります。 12: スパのWatsu専用プール。敷地外れにあって聞こえるのは不思議な鳥とセミの声だけです。 13: 同じような川の温泉をもう少し手軽に楽しめる隠れ家的温泉 EcoTermales(エコテルマレス)。 温度はタバコンより低め、定員制のこじんまりとした小さな日帰り温泉施設です。 |
熱帯雨林を適度に残した公園のような敷地内に、温泉の川が縦にずっと流れているので、自分の好きな場所を見つけてのんびり湯に浸かる事が出来ます。温泉の湯自体は単なる温かい湯という感じで、特に硫黄臭がするとか、濁り湯だとか、そいうい個性はないですが、兎に角すごい湯量なので、その強い湯の流れに体をまかせる幸せ感を是非味わってほしいと思います。 また、森のような敷地内をふらふらと歩くのも楽しく、運がよいと色々な動物に出会うこともできるそうです(私はグリーンイグアナ数匹のみでしたが、アルマジロが歩いていたりすることもあるそう)。 のんびりと湯に浸かって、ウォーターバーで地元のビールを飲んで、お腹が空いたらレストランでブフェ(日替わりでイタリアン・インディアン・メキシカンなど7種類のブフェがあり、味はなかなか)、余裕があればスパでマッサージ、なんて1日かけて贅沢にすごす、そんな温泉リゾートです。そうやってすごすとそれなりの金額(1~2万円/日)になりますが、コスタリカまで来たなら金額の事も日本の仕事の事も全て忘れてぼーっとのんびりしてほしい、間違っても、ふらっと立ち寄り湯なんて使い方はもったいない、そんなリゾートでした。 <2008.2.> |
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14: スパ内のジャグジー、どこも落着いた雰囲気でゆったりできます。 15: トリートメントは森の中の独立コテージで。川の流れる音だけが聞こえました。 |
おまけ情報 : タバコンリゾート内の、GranSpaは、世界の高級スパグループ、Leading Spaに登録されています。(ちなみにタバコンホテルは、高品質ホテルグループのThe Leading Hotels of the World の加盟ホテルです) さすがLeading Spa、接客や施術は中南米とは思えないほどしっかりとしていて、施設も落着いた雰囲気、メニューもほどよい数が揃っていて満足のスパでした(スウェディッシュ、アロマ、タイ、ディープテシューなど定番が揃っていて、温泉らしくWatsuがあり、中米名物のテマスカルもありました)。それでいて、マッサージ60分120ドル前後と、同レベルのホテルスパに比較すると安く(コスタリカだからでしょうが)、ついつい次の日もリピートしてしまいました。スパ好きの人なら是非お勧めしたいスパです。 |